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Project Story プロジェクトストーリー|仕事を知る

Project Story除排雪業務の
実態理解からはじまる、
本質的な課題発見と課題解決

除排雪業務のDX化

ProjectStory 02

プロジェクトストーリー

Profile

  • 三部 凌太郎

    2015年入社東北ブロック総括本部 デジタル改革PT
  • 羽田 渉

    2012年入社東北ブロック統括本部 青森エリア統括部
  • 遠藤 雄大

    2012年入社サービスクリエイション部 DXコーディネイトセンタ
  • 工藤 雅喜

    2007年入社サービスクリエイション部 DXコーディネイトセンタ

About Project

ソフトウェアによって除排雪
業務の再構築を実現したい。

日本の豪雪地帯は各自治体が長年培ってきた方法で除排雪業務を実施していますが、その多くは抜本的な効率化が図れていません。私たちは、A市の除排雪業務の効率化に向けた変革に挑戦しました。

お客さまの困りごとは、
対話から見えてくる。

羽田 通信を軸に様々な技術力を高めてきたNTT-ME。そのノウハウを活用し、さらに多くのお客さまに寄り添ったソリューションを提供しようと、新しいビジネス展開に力を入れています。特別豪雪地帯に指定されているA市では道路の損傷が激しく、いつも路面がデコボコしています。この問題を解決できないかと、DX分野で開発を担当している三部とともに、デコボコを検知するシステムを市に提案しました。

三部 市職員の方とお話すると、意外な実情が見えてきました。道路のデコボコの状況はすでに把握できているものの、修理まで手が回らない。そもそも道路の損傷は雪の影響によるところが大きく、膨大な労力を要する除排雪作業で手いっぱいになってしまっているとのことでした。一年の半分におよぶ積雪シーズンは、毎朝、市の職員が市内全域をパトロールして積雪状況を目視し、その情報を元に除排雪の計画を立てています。私はそのパトロールに同行させてもらい、除排雪業務がどのように行われているかをリサーチしていきました。

羽田 各パトロール班は毎朝、道路状況や除排雪の仕上がりについて現地で手書きで記録し、事務所に戻ってからデータ入力をします。そのデータを取りまとめ、除排雪の優先度を6色に分けて地図を手作業で色塗りし、その結果を元に除排雪事業者へ依頼をかけるという流れになっていました。そのリサーチ後、事務所でのデータ入力によって自動的に地図を色分けするツールをExcelのマクロ機能からすぐに作成し、市職員のみなさんに披露しました。

三部 地図が一瞬で色分けされると、「おおー!」という歓声が上がりました。今までの苦労はなんだったのだと。この提案をきっかけに、A市の除排雪の業務効率化についてNTT-MEがコンサルティングをさせていただくことになりました。コンサルティングで改善を目指した大きなポイントは、パトロール班の作業効率化、除排雪業者への連絡方法の見直し、作業日報の効率化の3点です。羽田と一緒に毎週のようにA市へヒアリングを行い、工藤をはじめとする開発部隊と連携を取りながら実証実験のためのシステムを構築していきました。

長年続くやり方を見直し、
一から再構築する。

羽田 また、パトロールの結果を受けて除排雪事業者へ指令を出す工程も障壁になっていました。指令は午前中に電話で実施していましたが、夜間に作業を行う除排雪事業者にとっては休養中の時間帯のため、連絡が取りにくいという問題が。さらに、除排雪事業者は作業終了後に作業日報を手書きで作成し、毎朝市庁舎へ届ける工程も負担となっていました。

工藤 目指したのは、市職員と除排雪事業者がスムーズに連携し、すべてのデータが一元管理されるWebアプリです。3カ月ほどで実証実験用のWebアプリをアジュールで構築しました。まずパトロール班は現地調査の結果をタブレットに入力。すると自動で色分けの地図を生成、その地図データに基づいた除排雪作業指令が除排雪事業者のスマホへ自動で届きます。さらに、除排雪事業者は作業終了後にスマホアプリでフォーマットに従って情報を入力するだけで、日報が作成、提出される仕組みを構築しました。実証実験を行うと、市職員のみなさんからは「すごい! 期待を超える出来栄えだ」との評価をいただき、大きな手応えを感じました。

羽田 コンサルティング最終報告後に正式に受注し、本格的なシステム開発をスタートさせました。NTT-MEでは、各地の多様なスキルを持ったエンジニアがリモートでつながり、プロジェクトに取り組んでいます。雪が降り出すまでの1年足らずで、スピーディにシステムを構築することができました。

除排雪業務は、積雪状況の把握からはじまり、道路上の雪を道路脇に寄せる除雪作業、除雪した雪をダンプトラックに積込み、雪堆積場へ運搬する排雪作業と多くの人が関わる仕事です。そのため、多くの自治体で抜本的な業務効率化が求められています。

お客さまと向き合い、感じた
技術者としての成長。

三部 開発者としてキャリアを積んできた私にとって、営業活動からプロジェクトに参加したのは初めての経験。パトロールでの現地調査も含め、営業からシステム開発までビジネスに一貫して関われたことで、一気に視野が広がったような気がしています。

工藤 新しいテクノロジーに対しては、拒否感も少なからず生まれるもの。中には「スマホなんて面倒だ」という方もいらっしゃいましたが、すぐにその価値を理解していただき、使いこなしていただくことができました。また、個人的には除排雪車両がどこで作業しているかをアプリ上で確認できる機能を実装できたことにワクワクしました。多様な機能を拡張させていくことで、よりきめ細かな市民サービスの提供に寄与できると考えています。

遠藤 私は本システムを他の自治体へ転用する横展開を担当しています。自治体の状況に合わせて、いかにシステムをカスタマイズし、過不足ない提案ができるかが腕の見せどころ。本来エンジニアである私は、お客さまの声を聞いて、技術的に可能かどうかを即座に判断し、できる限り実際のものに近いアプリケーションを見せながら営業活動を行なっています。PCと向き合うプログラムだけでなく、お客さまと向き合うことで、自らが意識していなかった意外な可能性や営業力といった新たなスキルを習得することができたプロジェクトとなりました。

羽田 A市のシステムはNTTの通信インフラを活用しながらブラッシュアップしていくと、将来的にはパトロール作業自体を省略したり、降雪予測と連動したより効率的な業務指示が出せるようになったりするなど、さらに発展させていくことができます。引き続き現状に満足することなく、チーム一丸となって新たな価値を提案していきます。